2013年2月17日日曜日

 「サムスンが揺らいだら韓国経済は大丈夫なのか」

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/02/17 09:19
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/02/17/2013021700182.html

【コラム】サムスンなき韓国経済

 最近サムスン電子をはじめとするサムスングループ15社の株式時価総額が韓国株式市場の約30%を占め、
 同グループの総売上高は韓国の国内総生産(GDP)の30%を超える。
 こうした状況から、おのずと
 「サムスンが揺らいだら韓国経済は大丈夫なのか」
という疑問が生じる。

 北欧のフィンランドは難題を解く手掛かりを提示してくれる。
 GDPの25%、時価総額の70%を占めた携帯電話端末最大手のノキアが没落しても、フィンランド経済は最近3年間で平均2.1%の成長を達成し、ユーロ圏の平均(0.9%)を上回った。
 1990年代に20%代だった失業率は、2010年には 8.3%、昨年は7.6%に低下した。

 フィンランド経済がさらに強さを増した最初の理由は、約30年にわたり築いてきた「起業文化」だ。
 1984年に設立された起業促進機関「国立技術開発庁(テケス)」とベンチャー投資ファンド「フィンベラ」が代表的だ。
 フィンベラは約 26億ユーロ(約3250億円)規模で、毎年ベンチャー企業約3500社を支援し、1万人以上の雇用を創出している。毎年20件以上のプログラムを推進するテケスは2011年、1928件のプロジェクトに6億1000万ユーロ(約760億円)を支援した。
 「起業の夏」「スタートアップサウナ(起業コンペティション)」「起業ワークショップ」などというイベントや会合も相次いで開かれる。
 2009年にゲーム『アングリーバード』を世界的にヒットさせたソフトウエア開発業者ロビオは、こうした豊かな生態系の中で生まれた。

 地域社会に密着した再就職訓練と生涯教育のシステムも注目される。
 住民の居住地から近い学校を「イブニングスクール」とし、午後4時から10時まで政府主導により自発的な学習の場を提供したり、労働・サービスの訓練など実用的な教育を行ったりしている。
 最大の成人教育センター「タック」は毎日5000人を対象に92の資格コースを開講している。
 政府はノキア社員の起業を専門的に支援する「イノベーション・ミル」というプログラムを実施しており、ノキア退職者が設立した企業は300社を超える。

  1970年代初めに公教育の強化に着手し、大学まで無償教育を実施しているほか、成績よりも潜在力の開発、科目別の学習達成度を重視するフィンランド式の教育も根底にある。
 フィンランドは昨年、世界最大の教育企業ピアソンの調査で世界1位の「教育大国」に選ばれ、経済協力開発機構(OECD)による国際的な学習到達度調査(PISA)で3回連続1位となった。
 「ノキアの没落がむしろフィンランドにとってはよかった」
という言葉が流行するのも、こうした教育分野の競争力を土台にして、
 再就職、生涯教育のインフラを構築し、
 数十年にわたり起業活性化に向けた努力を重ねてきた「起業DNA」が根付いているおかげだ。

 もちろん、韓国経済のためにサムスンは今よりも強くなるべきで、第2、第3のサムスンの登場が望まれる。
 しかし、サムスンのような大企業に頼ってばかりでは韓国経済が発展することはできず、
 サムスンが今より弱い状態でも韓国経済が生き残る方策を準備しておく必要がある。
 フィンランドがはるか以前に開始した自由な起業への取り組みや社会全体の革新に、韓国も本格的に着手すべきだ。


 「サムスンが没落してむしろ韓国にとってはよかった」
という言葉は聞かれるのであろうか。
 サムスンの没落がすなわち韓国の没落にリンクしているのではないだろうか。
 政治的にはサムスンを延命させるために
 「唯一の選択」として中国に擦り寄っているのではないだろうか。
 企業は永遠ではない。
 一時の栄華を創りだすのが企業であろう。
 次の栄華を担う次世代企業が育って産業全体が存続する。
 それを生みだすのが「起業文化」であろう。
 韓国にちまたの意識として「起業文化」はあるのであろうか。
 「財閥文化」はあってもそれは「起業DNA」は摘み取る文化ではないのか。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/02/17 09:04
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/02/17/2013021700163.html

【コラム】今こそ「下厚上薄社会」への回帰を

大学を卒業する若者を待ち受けるのは「無職」
やっと就職しても給料はわずか
少子高齢化により国の老化はさらに進行
20-30代こそ手厚い福祉が必要な世代

 トッポッキ(棒状の餅を甘辛く煮込んだおやつ)店、のり巻き店、コーヒーショップなどを営む20-30代が急速に増加している。
 これまで主に中高年による生計の手段だったこれらの業種に、若い世代が徐々に進出しているのだ。
 自分一人の力で店を構えるケースもあるが、その多くは親の金を元手に仕事を始めている。
 彼らは若くして企業への就職を諦めて自営業に進出したわけだ。

 金を出してくれる親がいて、例えのり巻きやトッポッキを作る仕事でも実際にできるのであれば、まだましな方だろう。
 21世紀の韓国で20代ほど、絶望に追い込まれた若い世代は他にいるだろうか
 大学に入るため二浪・三浪するのはごく普通で、大学に入ってからも海外研修やインターンなど、履歴書にそれなりの経歴を書き込むため1年や2年休学するのも基本だ。
 しかも男子は兵役もあるため、大学や大学院を卒業するのに8年から10年はかかってしまう。

 20代をこのように過ごして何とか大学を卒業しても、待っているのは就職ではなく無職生活だ。
 両親の保護を受け家族の冷たい視線を背中に感じながら食べさせてもらい、しばらく就職活動を続けているともう30代だ。
 しかし彼らにとって親元を離れて自立する方法はない。
 最近は親の間からも
 「子どもを生んで大学を卒業させるよりも、大学を卒業してから就職・結婚させ、さらに生活を支援する方に多くの金が掛かる」
といった諦めの言葉も聞こえてくる。

  1990年代以降、世界では好景気の中で株主中心の資本主義が広まり、
 「企業は成長するのに社員が貧しくなる」
という現象が表面化した。
 韓国も例外ではない。
 企業が収益を上げてもその金は株主が持っていく。
 経営者は株主への配当を可能な限り増やすため、大量のリストラにより正社員を解雇し、非正規職を増やしていった。
 株主の利益のために全力を尽くす経営者や役員は巨額の報酬を手にするが、その下で働く社員は給料がほとんど増えず、資産を形成するのも難しくなった。

 1980年代までなら企業は社員同士が結婚して子どもを生めば、教育資金を支援するため給与を増やした。
 これは韓国企業の「下厚上薄」の伝統だ。
 しかしこのような慣習は徐々に姿を消し、一部の大手企業を除く一般サラリーマンの生活は徐々に苦しくなり、いわゆる中産層から脱落していった。
 雇用労働部(省に相当)の統計によると、2002年の25-29歳の平均給与は126万ウォン(現在のレートで約10万 7000円、以下同じ)だった。
 これは当時、最も多くの給与を受け取っていた40-44歳(189万ウォン〈約16万円〉)の69%だったが、これが08 年には65%に低下した。
 つまり役員クラスの給与が37%増える間に、一般社員の給与は29%増にとどまっていたのだ。
 さらに、就職できなかった無職の若者や非正規職まで考慮すると、
 韓国社会が「下厚上薄」から「上厚下薄」へと急速に変わってきているのは明らかだ。

 「下薄」の社会で希望を見いだすのは難しい。
 若者は仕事がないため結婚を遅らせ、家庭を持てたとしても財布に中身がないため子どもを生むのを避ける。
 「下薄」は少子高齢化をさらに促進させるため、国の老化はさらに進む。

 朴槿恵(パク・クンヘ)次期大統領は保守政治家としては破格ともいえる福祉政策の公約を提示。
 生まれたばかりの赤ん坊から高齢者まで、全ての世代に必要に応じた福祉を行うと宣言した。
 しかし巨額の福祉予算が無償保育、大学授業料の半減、基礎年金、4大疾病(がん・脳卒中・心臓病・ 糖尿病)重症者の治療費の百パーセント国家負担など、散発的な政策に使われるだけであれば、単なる救恤(きゅうじゅつ)的福祉に終わる恐れも否定できない。

 「朴槿恵式福祉政策」が国の将来に備える戦略的な福祉政策として成功を収めるには、政策のターゲットを20代や30代の若い世代へと見直さねばならない。
 彼らが仕事を得て資産を形成し、しかるべき時期に結婚して子どもを生まなければ「高齢社会の災害」を防ぐことはできないのだ。
 また「下厚上薄」の社会となれば、若者は力をつけて高齢者の面倒も見るようになるだろう。
 企業も雇用や賃金を通じて「下厚上薄」の再現のため努力しなければならない。
 これこそ企業が実践できる最善の福祉だ。


 サムスンの没落が始まるのはそう遠いことではないだろう。
 ノキアの次はサムスンか、ということではないが、韓国が叩いたソニーやパナソニック、そしてシャープはいま次世代の企業コアを作っているところである。
 当面の業績は悪いがしぶとく生き残っていくだろう。
 そしてコアが確立されたとき、また花開くことになるだろう。
 それができるのは、日本にとってソニーもパナソニックは単なる一企業にすぎない。
 潰れたら潰れたでいいじゃないか、と突き放して見ることができるからだ。
 なら、サムスンはどうだろうか。
 サムスンのために中国にシッポをふるようにまで韓国国家が傾いている。
 国家が傾いているところに、サムスンが没落したら、もうサムスンは生き残れない。
 サムスンは国家と裏表の関係になってしまっている。
 経済成長追求にあまりに国家がもめり込んでしまった結果であろう。 


朝鮮日報 記事入力 : 2013/02/28 22:09
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/02/28/2013022802394.html

韓国企業4社 時価総額で日本上回る=円安で減少

【ソウル聯合ニュース】
 韓国の金融投資業界によると、16の主要業種のうち韓国を代表する半導体、ディスプレー、建設、鉄鋼の4業種で、韓国企業の時価総額(25日の終値基準)が日本を上回ったことが分かった。
 同業界が28日までに明らかにした。

 ただ、急速な円安の影響で昨年の6業種から減少した。
 時価総額は売り上げや営業利益など現在の業績はもちろん、企業の今後の発展を占う指標でもある。

 韓国は2009年末に半導体、建設、鉄鋼の3業種で日本を上回っていたが、昨年末にはこれらに加えディスプレー、石油元売り、造船の合わせて6業種で日本を上回った。
 だが、その後急速に円安と日本の株価上昇が進み、日本企業が石油元売りと造船で韓国を上回ったため4業種に減った。

 昨年12月28日に終値1万395円18銭をつけた日経平均株価は、円安が追い風となり今月27日には1万1253円97銭をつけ、この2カ月で8.26%上昇した。同期間の韓国の総合株価指数(KOSPI)は0.35%の上昇にとどまった。

 業種別に見ると
 サムスン電子が245兆7810億ウォン(約20兆9683億円)で、日本を代表する半導体メーカーの東芝(20兆9110億ウォン)の10倍を記録した。

 ディスプレー分野では、LGディスプレーが11兆380億ウォンで、シャープ(3兆9030億ウォン)を上回った。
 鉄鋼ではポスコ(31兆2120億ウォン)が新日鉄住金(28兆6450億ウォン)を上回り、建設分野ではサムスン物産(10兆2870億ウォン)が日揮(7兆7420億ウォン)を上回った。

 専門家は
 「当分の間は円安が続くため、市場をリードできる製品を打ち出し競争力を高める必要がある」
と指摘した。

聯合ニュース


 サムスン電子の一人勝ちのようだが。
 サムスンがコケたらどうなるの?




【 見えない歪み 】


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