2013年1月25日金曜日

止まらない不況の風:輸出低迷、成長率は目標値の半分に

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 日中対立でいっとき息をついたように思われた韓国だが不況の風は止まってはいない。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/01/25 10:22
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/01/25/2013012500768.html

韓国経済:昨年末に輸出低迷、成長率は目標値の半分に

 韓国銀行は24日、昨年の韓国の経済成長率が前年比2%にとどまったと発表した。
 韓国政府が昨年初めに定めた目標値(3.7%)と比較すると半分にとどまり、政府1カ月前に示した修正予測値(2.1%)を0.1ポイント、韓銀による昨年10月の予測値(2.4%)を0.4ポイントそれぞれ下回った。

 わずか数カ月前の予測を下回る実績となったのは、昨年末の景気が予想よりも低迷したためだ。
 第4四半期(10-12月)の前年同期比の成長率は0.4%にとどまり、昨年10月時点の予測値(0.8%)を0.4ポイント下回った。

 韓銀の金栄培(キム・ヨンベ)経済統計局長は
 「ユーロ圏の回復が予想よりも遅れるなど、外部環境が思わしくなかったため」
と説明した。
 ユーロ圏の低迷は輸出減少につながり、企業の投資も落ち込んだ。

 韓国の国内総生産(GDP)の規模に基づくと、成長率が0.1ポイント異なると1兆ウォンの差になる。

■昨年末の輸出低迷

 韓銀によると、昨年第4四半期の輸出は前四半期を1.2%下回った。
 昨年通年の輸出は前年比3.7%増にとどまり、前年の9.5%増に比べ大きく落ち込んだ。

 欧州各国が財政危機に見舞われ、欧州への輸出が大幅に減少したことが響いた。
 関税庁によると、昨年の韓国の対米輸出は4.1%、対中輸出は0.1%増加したが、対欧州輸出は11.4%減少した。

 輸出低迷で企業は投資を見合わせている。
 昨年第4四半期の設備投資は前四半期に比べ2.8%減少。
 建設投資は1.3%減少した。通年では設備投資が前年比で1.8%減、建設投資が1.5%減だった。

 新韓金融投資のエコノミスト、ユン・チャンジュン氏は
 「欧州などの外部環境が不安なほか、ウォンが急速に上昇したことで輸出が急減しており、投資も引き続き低迷している。
 今後もウォン相場の急騰で輸出競争力が低下し、輸出の早期回復は難しいのではないか」
と指摘した。
 最近は円安も韓国の輸出を脅かしている。
 現代経済研究院は円が対ウォンで1%下落すると、韓国の輸出が0.9%減少すると推定している。

■第3四半期が景気の底

 韓国の四半期ごとの成長率は、2011年第2四半期(4-6月)以降、7四半期連続で0%台となっている。
 しかし、昨年第4四半期の成長率は0,4%で、第3四半期(7-9月)の0.1%よりはやや改善した。  金栄培局長は
 「昨年の韓国経済が霧の中で未舗装の道路を走る状況だったとすれば、現在は霧が晴れたと言えるのではないか。
 うまくやればでこぼこや水たまりを避けられる状況だと思う」
と指摘した。

 金局長は第3四半期が景気の底と見なせるかどうかとの質問に対し、
 「大きな(景気)サイクルの底かどうかはまだ分からないが、短期的には第3四半期が低かったことは間違いない」
と述べた。

 金局長は
 「第4四半期の成長率は期待に届かない水準だったが、民間部門の主導である程度の成長が続いた。
 今年も民間部門の成長が続き、新政権発足で予算が積極的に投じられれば、今年上半期は昨年よりも改善するのではないか」
と予測した。
 昨年第4四半期の民間消費は前四半期より0.8%増え、伸び率は第3四半期(0.7%)を上回った。

 韓銀は昨年11月に今年の成長率を2.8%と予測した。
 政府見通しの3.0%よりは低いが、昨年(2.0%)よりは改善するとの予測になっている。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/01/25 10:19
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/01/25/2013012500758.html

韓国経済:昨年の成長率2%、3年ぶりの低水準

 韓国銀行は24日、昨年の韓国の国内総生産(GDP)成長率が2.0%だったと発表した。
 金融危機直後の2009年(0.3%)以来3年ぶりの低成長となった。

 第4四半期(10-12月)の成長率は前四半期比で0.4%となり、2011年第2四半期(4-6月)以来7四半期連続で0%台となり、韓銀の昨年10月時点の予測と比べると半分にとどまった。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/01/25 10:2
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/01/25/2013012500765.html

韓国経済:低成長で税収減、新政権に立ちはだかる壁

 朴槿恵(パク・クンヘ)次期大統領の経済政策が政権発足前から低成長という壁に直面した。

 韓国経済の低迷が予想よりも深刻化し、
 朴槿恵新政権の公約実現に必要な財源確保計画に狂いが生じた。
 基礎老齢年金の2倍拡大、4大重症疾患に対する健保100%適用などの大規模な公約を実現するためには、今後5年間で少なくとも135兆ウォン(約11兆2000億円)、年間27兆ウォン(約2兆2000億円)の追加財源が必要だ。
 財源を確保するにはまず、国庫に十分な収入が必要となるが、
 経済成長率が予想を下回り、税収確保が難しくなるとの見方が強まっている。

■税収2兆ウォン以上減少

 韓国銀行は24日、昨年の韓国の経済成長率が2%にとどまり、3年ぶりの低水準になったと発表した。
 当初の政府の目標値(3.7%)を大幅に下回る「成長率ショック」に見舞われた格好だ。
 昨年第4四半期(10-12月)の成長率も前四半期比で0.4%にとどまり、史上初めて7四半期連続で0%台となった。

 年4%(四半期当たり1%)と推定される潜在成長率にも満たない低成長は今年も続くとみられる。
 韓国銀行は今月11日、今年の経済成長率予測値を2.8%に下方修正した。
 昨年10月時点の予測値(3.2%)を0.4ポイント引き下げた形だ。

 経済成長率が2%台に低下すると、政府の税収が減少し、さまざまな福祉公約を実現するための新政権の財源確保がさらに難しくなる。

  342兆ウォン(約28兆4000億円)規模の予算案を編成する際、政府が推定した経済成長率は4%だった。
 今年は4%どころか3%の成長も難しいというのが研究機関の大方の見方だ。政府自らも今年は2%台の低成長になる可能性が高いとみている。
 企画財政部(省に相当)関係者は
 欧米の財政危機など内外の環境を考えると、今年は3%成長も難しいという危機意識が政府内部に広がっている」
と指摘した。

 企画財政部によると、経済成長率が1ポイント低下すると、税収が2兆ウォン(約1660億円)減少する。
 今年の成長率が3%を下回れば、税収は政府予算案よりも2兆ウォン以上減少することになる。現代経済研究院のキム・ドンヨル首席研究委員は
 「朴槿恵氏の公約実現に必要な追加財源をどう確保するかではなく、減少した税収をどうやって埋めるかが焦眉の急だ」
と述べた。

■良質な雇用創出にも打撃

 成長率低下による衝撃で「雇用率70%、中産階級70%」という朴槿恵新政権の経済公約の柱にも影響が避けられない。
 経済成長が低迷すれば、良質な雇用創出がさらに難しくなる。
 全国経済人連合会が高麗大のオ・ジョングン教授(経済学)に依頼して作成した報告書によると、経済成長率が1ポイント上昇すると、6万人分の雇用が生まれることが分かった。
 増加する6万人分の雇用のうち、5万人分は正社員が占める。
 反対に成長率が1ポイント低下した場合、6万人分の雇用が失われることになる。
 オ教授は
 「良質な雇用の増加は安定的な所得が得られる中産階級を増やし、所得分配の改善につながるが、低成長がそうしたプラスの連鎖を阻害することになる」
と指摘した。

 さらに深刻な問題は少子高齢化で韓国経済の低成長構造が長期化するとの見方が多いことだ。
 韓国科学技術院(KAIST)の権五奎(クォン・オギュ)教授は
 「3年後の2016年から韓国経済の15歳以上の生産年齢人口が減少する。
 韓国よりも先に高齢化社会を迎えた米国、日本は生産年齢人口の減少とともに明らかな低成長基調に入った」
と分析した。

 健全財政フォーラムの康奉均(カン・ボンギュン)代表は
 「税収確保のために法人税などを引き上げれば、投資がさらに減少し、成長率が低下する悪循環に陥ることが考えられる。
 持続可能な福祉のためにも成長が必ず必要であり、経済政策で福祉拡大よりも低成長脱出を優先すべきだ」
と指摘した。





【 見えない歪み 】


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